テキサス州ヒューストン拠点 / 日本語でご相談いただけます+1-281-991-7726
GUIDE / BUSINESS SUCCESSION

下請けの事業承継の相談先 どこに、何を相談するか

「事業承継を考え始めたが、どこに相談すればよいのかわからない」。下請けの町工場のオーナーさまとご家族のために、主な相談先を特徴と注意点とともに並べました。相談先は一つに絞らなくて構いません。

Pisco Group 編集 公開 2026.10.23

1. 相談先は、一つに決めなくて構いません

事業承継の相談先には、公的な窓口、金融機関、商工団体、税理士など、いくつかの種類があります。得意なことが少しずつ違うため、複数に話を聞いて比べるのが安心です。

どこに相談しても、相談しただけで会社を譲る話が決まることはありません。最初は「どんな選択肢があるのか知りたい」だけで十分です。

2. 主な5つの相談先

(1) 事業承継・引継ぎ支援センター

  • どんなところか:国が運営する窓口です(産業競争力強化法にもとづく)。
  • 費用:相談は無料です。
  • できること:状況を聞いたうえで、登録された民間のM&A支援機関や金融機関につなぎます。全国47都道府県で情報を共有しています。
  • 覚えておきたい点:譲り受けを希望する側は、センターと面談したうえで「譲受希望登録」を行い、その情報は公開されません。

(2) 日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援

  • どんなものか:日本政策金融公庫(国民生活事業)が、譲り渡したい方と譲り受けたい方を引き合わせる支援です。
  • 費用:譲渡する側も譲り受ける側も無料です。
  • 使える人:原則として、公庫に借入残高がある方(完済から8年以内を含む)が対象です。借入がなくても、商工会議所・商工会、税理士などの支援団体や専門家からの紹介(紹介状)があれば利用できます。譲り受けを希望する側は、事業規模にかかわらず利用できます。
  • 覚えておきたい点:公庫は、相手の紹介と情報提供までで、仲介行為は行いません。交渉は当事者どうしで行います。面談の前には、秘密保持契約(NDA)を結びます。

(3) 商工会議所・商工会

  • どんなところか:地域の事業者の身近な相談先です。
  • できること:日頃の経営の相談の延長で話を聞いてもらえます。必要に応じて、ほかの窓口を紹介してもらえることもあります。日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援では、紹介状を書ける支援団体にあたります。
  • 覚えておきたい点:事業承継の専門の窓口があるかどうかは、地域によって異なります。まず電話で確認してください。

(4) 取引金融機関(銀行・信用金庫など)

  • どんなところか:会社の資金の状況を、日頃からよく知っている相談先です。
  • できること:承継後の資金のことも含めて相談しやすい相手です。センターが連携する金融機関もあります。
  • 覚えておきたい点:金融機関によって、事業承継への取り組み方は異なります。借入のある会社の場合、情報の扱いについて、事前に確認しておくと安心です。

(5) 顧問の税理士

  • どんなところか:決算や税金を通じて、会社の数字を最も把握している専門家です。
  • できること:会社の数字の整理、株式や資産の承継に関わる税金の相談。日本政策金融公庫のマッチング支援では、紹介状を書ける専門家にあたります。
  • 覚えておきたい点:税理士さんによって、事業承継への経験の幅は異なります。必要に応じて、ほかの専門家や窓口を併せて頼ることになります。

3. 使い分けの目安

こんなときまず相談するところ
何から始めればよいかわからない事業承継・引継ぎ支援センター、または顧問の税理士
相手を探したい。仲介を使わずに進めたい日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援、事業承継・引継ぎ支援センター
借入の返済や保証が気になる取引金融機関、顧問の税理士
紹介状が必要になった商工会議所・商工会、顧問の税理士
会社の数字を整理したい顧問の税理士

仲介業者やFAに相手探しを頼む場合は、国の「M&A支援機関登録制度」で、登録されているかを確認できます。

4. 下請けの会社が、承継で特に気をつけたいこと

  • 元請け(主要な取引先)にいつ、どう伝えるか。売上の多くを特定の元請けが占めている場合、承継後の取引が続くかどうかは大切な論点です。伝える時期は、相談先と一緒に慎重に決めましょう。
  • 取引の条件を確認しておく。契約書や取引基本契約の内容、図面や金型の所有関係を、早めに整理しておくと話が進みやすくなります。
  • 秘密を守る。相手に詳しい情報を渡す前に、秘密保持契約(NDA)を結びます。元請けや従業員に、誤った形で伝わることを防ぐためです。

5. 相談の前に、メモしておくと話が早く進むこと

  • 会社の事業の内容と、主な製品・設備
  • 従業員の人数、年齢構成のおおまか
  • 主な取引先と、売上に占めるおおまかな割合
  • 直近の決算書(税理士さんにお願いして構いません)
  • 借入や保証の状況
  • 残したいもの、避けたいこと(従業員、技術、社名、ご自身の関わり方)

すべて揃っていなくても、相談できます。「わからない」と伝えることも、立派な相談です。

6. 相談先のひとつとして、Piscoの場合

ここまでは、中立の立場で相談先を並べました。そのうえで、Piscoも選択肢のひとつです。

東京を拠点に事業承継を検討し、米国で生かせる技術は、宇宙航空機産業・回転機械のメッカであるヒューストンを拠点に生かし、次の世代につなぎます。

Pisco Group, LLC(米国テキサス州ヒューストン)は、自社で工場を持つ製造業のグループです。仲介業者ではなく、引き継ぐ側の立場で、製造業のオーナーさまと直接お話しします。承継を検討している会社の目安は、次のとおりです。当てはまるか迷う場合も、まずご相談ください。

  • 売上10億円まで、従業員10名まで
  • 所在地:関東・北九州
  • 業種:機械加工業、金属加工業、溶接業、製缶製作、その他産業機械関連
  • 独自の技術があり、後継者がいない

日本での譲受けは、国内の関係会社または関係者が行い、Piscoの米国工場とグループの経営資源(設備・工程・販路)で技術を生かします。

  • 手数料はかかりません。仲介ではなく、引き継ぐ側として直接お話しするためです。
  • グループの設備や工程などの経営資源を生かして、技術を引き継ぎ、オーナーさまが築いたものを遺すことを目指します。
  • 対価をお支払いします。金額は交渉で決め、時期も柔軟に考え、承継の形は会社ごとに話し合います。
  • ご希望があれば、承継後も顧問として残っていただく形も考えられます。
  • 詳しい情報をお預かりする前に、秘密保持契約(NDA)を結べます。
  • 社名は残します。
  • 従業員の雇用と処遇は原則として維持します。
  • 旧オーナーさまの個人保証は、原則として解除する方針です。解除に向けた金融機関との交渉は、譲受け側が責任を持って行います(最終的な判断は金融機関によります)。

承継のあとに起きやすい問題と、Piscoの考え方

下請けの会社では、承継のあとに発注元が離れてしまうことや、従業員の不安、個人保証・借入の扱い、簿外債務・偶発債務などが問題になりやすいといわれます。中小企業庁の「中小PMIガイドライン」は、成立直後に譲渡側の経営者とともに主要な取引先を訪問して継続的に対話することや、従業員へ遅滞なく等しく説明すること、暗黙の取決めも把握することなどを挙げています。経営者保証は、「中小M&Aガイドライン」と「経営者保証に関するガイドライン」の特則で、事業承継時の二重徴求は原則として禁止されています。

Piscoは、自社で工場や工程を運営する事業会社として、クロージング後も経営に関わります。米国での技術の需要や販路で仕事量を支え、元オーナーさまには、ご希望に応じて有償の顧問として関わっていただく形も相談できます。社名は残し、従業員の雇用と処遇は原則として維持します。旧オーナーさまの個人保証は、原則として解除する方針です。解除に向けた金融機関との交渉は、譲受け側が責任を持って行います(最終的な判断は金融機関によります。中小企業庁の資料も参照)。設備投資などは、個別に協議します。結果をお約束するものではありません。問題ごとの整理は事業承継のご案内をご覧ください。

公的な窓口との関係についても、正直にお伝えします。譲り受ける側は仲介・FAではないため、M&A支援機関登録制度の登録は必要ありません。日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援には、事業を営んでいない個人の方が「継ぐスタ」として申し込む形があり、紹介状は不要で、申込書には略歴、投資可能金額・自己資金、継ぐスタ計画書などを記入します。一方、日本での譲受けを行う国内の関係会社または関係者が利用できるかどうかは、公庫の案内を確認しながら、現在、確認を進めています。

また、外為法では、外国投資家(外国法人や、非居住者である個人など)が、指定された業種(工作機械・産業用ロボットの製造業、半導体製造装置、軍事転用が可能な汎用品の製造業など)を営む非上場会社の株式を1株でも取得する場合は、原則として日本銀行を通じた事前の届出と、国による審査が必要とされています。国内の買い手による譲受けでは、通常、対内直接投資の届出は想定されませんが、外国資本が50%以上の国内会社などは外国投資家にあたるため、案件ごとに専門家と確認します。該当するかを事前に確認し、必要な届出は法令に沿って行います。審査の結果についてお約束することはできません。

商工会議所・商工会や税理士さんなど、ご相談中の方からのご紹介も歓迎します。事業承継のご案内をご覧のうえ、秘密厳守のご相談からお問い合わせください。

出典・参考資料

本記事は2026年10月時点の公開情報をもとにした一般的な情報であり、法務・税務・金融に関する助言ではありません。制度の内容は変わることがあります。具体的な判断は、各機関の最新の案内と、税理士・弁護士などの専門家でご確認ください。

よくあるご質問

事業承継は、まずどこに相談すればよいですか。

どこからでも構いません。無料で相談でき、状況に応じてほかの窓口につないでくれる事業承継・引継ぎ支援センターか、会社の数字をよく知る顧問の税理士さんが、始めやすい相談先です。

日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援は、借入がないと使えませんか。

原則は、公庫に借入残高がある方(完済から8年以内を含む)が対象です。借入がなくても、商工会議所・商工会、税理士などの支援団体や専門家からの紹介(紹介状)があれば利用できます。

事業承継の相談に費用はかかりますか。

事業承継・引継ぎ支援センターの相談は無料です。日本政策金融公庫の事業承継マッチング支援も、譲渡・譲受のどちらも無料です。民間の仲介業者などを使う場合は、費用の仕組みを事前にご確認ください。

下請けの場合、元請けには相談の段階で伝えるべきですか。

一律の決まりはありません。伝える時期や方法で、取引に影響が出ることもあります。相談先と一緒に、慎重に決めることをおすすめします。

どこに相談すればよいか迷う段階でも構いません。初回のご相談は無料です。日本語で、秘密厳守で承ります。

秘密厳守で相談する