米国で販売した製品の修理を、どこで受けるか
米国の顧客から修理や点検の依頼が来たとき、日本へ送り返すしかない状態は、次の受注を失う一番の原因になります。米国でアフターサービスの受け皿を持つ3つの方法と、その選び方を整理します。
Pisco Group 編集 公開 2026.10.20
日本へ送り返す対応が続くと起きること
故障した機器を日本に送り返すと、輸送と通関だけで数か月かかることがあります。その間、米国の顧客は設備を止めるか、予備機で回すしかありません。米国の産業顧客は、技術的な質問にすぐ答え、納入後も面倒を見てくれる相手から買う傾向が強く、修理に時間がかかった経験は、次の見積で不利に働きます。
台数が少ないうちは送り返しで回っていても、米国での稼働台数が増えるほど、修理の件数、問合せ、保証の判断が積み上がり、駐在員や日本の技術部門の負担になっていきます。
米国で修理を受ける3つの持ち方
| 1. 自社のサービス拠点を持つ | 米国での稼働台数が多く、修理が継続的に発生する場合に向きます。技術を自社で管理できる一方、建物、設備、技術者の採用と教育に時間と固定費がかかります。 |
|---|---|
| 2. 販売代理店に任せる | 販売とサービスを一つの窓口にまとめられます。ただし代理店に分解、加工、試験の設備と技術者がいなければ、結局は日本へ送り返すことになります。代理店がどこまで自社で修理できるかの確認が欠かせません。 |
| 3. 米国のサービス工場に委託する | 自社で拠点を持たずに、すぐに受け皿を作れます。固定費を抑えて始められ、台数が増えたら自社拠点に移る判断もしやすくなります。委託先の品質と報告の仕組みを、最初の数件で確かめることが重要です。 |
どれか一つに決める必要はありません。最初は委託で始め、件数と費用の実績を見てから自社拠点を検討する、という順番もよく取られます。
どれを選ぶかを決める4つの目安
- 米国での稼働台数と故障の傾向:年に何件の修理や点検が発生しているか、どの部品が多く壊れるか。
- 顧客が求める記録:石油化学や発電の顧客は、分解時の状態、計測値、修理内容の記録を求めることが多く、その書式に対応できるか。
- 本社の技術者を出せる頻度:日本から出張できる人数と頻度に限りがあるなら、現地で単独作業できる体制が必要です。
- 立ち上げまでに使える時間:すぐに受け皿が必要なら、既存の工場への委託が現実的です。
委託先を選ぶときの確認点
- 同じ種類の機械を、メーカーの手順に沿って修理した実績があるか
- 入荷時の状態を写真と計測値で記録し、原因と修理案、費用と納期を報告できるか
- 機械加工と動バランスを社内で持っているか(外注が多いと納期が読めません)
- 重量物を扱えるクレーンと作業スペースがあるか
- 緊急時の受付体制があるか
- 図面や顧客情報を預ける前に秘密保持契約を結べるか
- 保証修理の受付から判断、報告までの流れを、貴社の保証規定に合わせて作れるか
- 修理後の再据付や試運転のために、顧客の工場に入る安全登録を持っているか
始め方:まず1台で確かめる
最初から包括的なサービス契約を結ぶ必要はありません。米国で発生している修理を1台委託し、品質、納期、報告の形を確かめてから、受付から報告までの流れと料金を決めるのが無理のない進め方です。正式に委託する場合は、貴社のWebサイトや資料で、米国のサービス窓口として案内します。
Pisco Groupの場合
グループ会社のPPSは、新日本造機の北米全域における独占パートナーとして、新規販売と正規アフターサービス工場を担っています。API 610プロセスポンプやAPI 611・612蒸気タービンを、メーカーの指示に沿って修理しています。ヒューストンの約1,000㎡の工場に10t天井クレーン2基、CNCと汎用の機械加工、Vi-TECHの動バランスを備えています。同じ体制を、貴社製品の米国サービス拠点として提供します。
あわせて読む:米国のプラントで据付・修理を行う前に知っておきたい入構要件
よくあるご質問
自社製品の修理手順書や部品がなくても委託できますか。
最初は貴社の手順書と部品に沿って進め、不足があれば現地での加工や調達を提案します。図面からの部品製作も可能です。
保証修理の窓口も任せられますか。
受付、点検、報告、修理の流れを貴社の保証規定に合わせて設計し、判断が必要な点は日本本社に確認しながら進めます。
1台だけの修理でも相談できますか。
はい。1台の修理から始められます。最初から大きな契約を前提にはしません。
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